自己注射について知る

自己注射とは

自己注射とは、医療機関ではなく在宅などで、患者さんご自身またはご家族など介助者の方が行う注射のことです。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の治療では、主治医の判断のもとで、ファセンラ®(一般名:ベンラリズマブ)の自己注射を行うことができます。

注意

ファセンラ®の自己注射が可能なのは、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の患者さんです。
気管支喘息の患者さんは医療機関で注射を受ける必要がありますので、自己注射をせずに主治医に連絡してください。

ファセンラ®の自己注射

ファセンラ®を自己注射する場合、あらかじめファセンラ®が入った専用の注射器を使って、4週間に1回、皮下注射します。

投与スケジュール

4週間に1回

投与スケジュール
投与スケジュール

自己注射のメリット

通院頻度を減らしたり、注射予定日に通院できなくても自宅で注射できるので、ご自身のライフスタイルに合わせて治療を進めることができます。

自己注射の開始まで

自己注射を安全に行っていただくために、自己注射が適しているかどうかを主治医が判断します。
主治医から自己注射についての説明を受けた後、医療機関で練習をしていただき、正しい方法で注射できることが確認できたら開始します。

自己注射開始までの流れ

自己注射開始までの流れ_医療機関

医療機関で

自己注射開始までの流れ_医療機関_1

主治医から自己注射の説明を受ける

自己注射開始までの流れ_医療機関_2

主治医、看護師または薬剤師による指導のもとで、自己注射の練習をする

自己注射の開始を主治医が判断

自己注射の開始を主治医が判断

自己注射開始までの流れ_矢印
ご自宅などで、自己注射を開始

ご自宅などで、自己注射を開始

「4週間に1回」を念頭に、最初の注射日を決めましょう

自己注射の開始を主治医が判断

自己注射の開始後、適切に行うことができていないと主治医が判断した場合は、外来での注射に変更したり、医療機関で練習を受けていただくことがあります。

ファセンラ®の取り扱い方

医療機関でファセンラ®を受け取ったら、以下のように扱いましょう。

医療機関からの持ち帰り方

医療機関でファセンラ®を受け取ったら、保冷バッグに入れて持ち帰りましょう。
ファセンラ®用の保冷バッグと保冷剤が用意されているので、主治医または看護師にご相談ください。

医療機関からの持ち帰り方

保存方法

外箱のまま、必ず冷蔵庫(2~8℃)で保管してください(冷凍しないでください)。

保存方法_1

冷蔵庫から出した後は30℃以下で保存し、14日以内に使用してください。
暖かい場所、直射日光のあたる場所や高温多湿の場所、子供から見える場所、子供の手が届く場所に置かないでください。

保存方法_2

廃棄方法

使用後すぐに廃棄用容器に入れ、医療機関の指示に従って廃棄してください。

廃棄方法

取り扱い上の注意

ファセンラ®を激しく振とうしないでください。また、落としたり、破損したりした場合は使用しないでください。

自己注射の方法 「ファセンラ®皮下注30mgシリンジ」

ファセンラ®シリンジの自己注射は、以下の手順で行います。
初めての方は、主治医から十分な説明を受けてから自己注射を行ってください。

ファセンラ®の自己注射が可能なのは、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の患者さんです。気管支喘息の患者さんは医療機関で注射を受ける必要がありますので、自己注射をせずに主治医に連絡してください。

自己注射の方法「ファセンラ®皮下注30mgシリンジ」解説動画

ファセンラ®の自己注射が可能なのは、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の患者さんです。気管支喘息の患者さんは医療機関で注射を受ける必要がありますので、自己注射をせずに主治医に連絡してください。

自己注射の方法「ファセンラ®皮下注30mgシリンジ」解説動画

シリンジの仕様(構成と各部の名称)

1本に30mgのファセンラ®(注射1回分)が充てんされており、1回のみ使用できる使い捨てタイプです。

シリンジの仕様(構成と各部の名称)
シリンジの仕様(構成と各部の名称)

シリンジには、針刺し防止機能が付いています。
針刺し防止機能の誤作動を防ぐために、薬液投与完了までは針ガード作動クリップに触れないようご注意ください。

投与前の準備

1

ファセンラ®を室温に戻します

投与時の不快感軽減のため、投与30分前に冷蔵庫から取り出し、本剤を外箱に入れたままの状態で室温(30℃以下)に戻しておくことをお勧めします。

  • 室温に戻した後は、再び冷蔵庫に戻さないでください。
ファセンラ®を室温に戻します

2

外箱からシリンジを取り出します

プランジャーが抜けてしまうおそれがあるため、必ずシリンジ部分を持って取り出してください。

外箱からシリンジを取り出します

3

シリンジ内の薬液を確認します

シリンジが壊れていないか、使用期限が過ぎていないか確認します。
シリンジ内の薬液について確認します。
本剤は無色から黄色の澄明、または乳白光を呈する液であり、半透明から白色の微粒子や気泡を認めることがあります。

  • 薬液に以下の状態が認められる場合は使用を中止してください。
濁り
変色
大きな粒子 または 異物
シリンジ内の薬液を確認します

4

注射する部位を確認します

投与部位は、太もも、お腹または腕(介助者が投与する場合)です。

  • 前回注射した部位から少なくとも3cm以上離れた箇所に注射をしてください。
  • 皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷及び打撲や傷、硬化のある部位に注射したり、衣服の上から注射しないでください。
注射する部位を確認します

5

手洗いし、注射部位を清潔にします

両手を石鹸でよく洗います。
消毒用アルコール綿で注射部位を消毒し、注射前に皮膚を乾かします。

手洗いし、注射部位を清潔にします

投与

1

針カバーを取り外します

片手でシリンジ中央部を持ち、もう片方の手で針カバーを慎重にまっすぐ引き抜きます。

  • 針カバーを外す際、プランジャーやプランジャーヘッドを持たないでください。プランジャーが動くおそれがあります。
  • 針カバーを外した後は、再度針カバーをしないでください。針刺し事故の他、針ガードの誤作動、針曲がりや針折れにつながるおそれがあります。
  • 針に触れたり、表面に触れたりしないでください。
針カバーを取り外します

2

シリンジを持ちます

人差し指と中指ではさむようにしてシリンジを持ち、親指をプランジャーヘッドに添えます。

  • 薬液漏れを防ぐため、針を皮膚に穿刺するまでプランジャーヘッドは押さないでください。
シリンジを持ちます

3

注射します

シリンジを持っていない方の手で、あらかじめ消毒された投与部位の皮膚を軽くつまみ、45度の角度で針を刺し、針を皮膚に完全に挿入してください。

  • 針折れの原因となりますので、針を刺した後に、シリンジの位置や角度を変えようとしないでください。
注射します_1

親指でプランジャーヘッドを押し込みます。
薬液がすべて注入されるまで(プランジャーヘッドが針ガード作動クリップの間に収まるまで)、プランジャーヘッドをしっかり押し込み続けてください。

  • プランジャーヘッドは引き戻さないようにしてください。
注射します_2

4

針を皮膚から抜きます

親指でプランジャーヘッドを押したまま、角度を変えずに針を皮膚から抜きます。

針を皮膚から抜きます

投与後

1

針ガードが作動します

完全に皮膚から針が離れた後、プランジャーヘッドからゆっくり指を離します。

  • 最初に外した針カバーは付け直さないようにしてください(針ガードが作動しない場合でも薬液の注入は完了しています)。
針ガードが作動します

2

注射部位を確認します

消毒用アルコール綿で皮膚を軽く押さえてください。

注射部位を確認します

3

使用済みのシリンジを廃棄します

シリンジは使用後すぐに廃棄用袋に入れ、医療機関の指示に従って廃棄します。
針カバーや他の使用済み用品は家庭用ゴミ箱に捨ててください。

  • 針ガードが十分に作動しない場合には、針刺し事故に注意し、安全な方法で廃棄してください。
  • 針カバーは付け直さないでください(針刺し事故防止のため)。
使用済みのシリンジを廃棄します

注意

自己注射の開始後、ファセンラ®による副作用が疑われる場合や、自己注射の継続が困難な状況となる可能性がある場合は、直ちに自己注射を中止し、主治医に連絡してください。

自己注射の方法「ファセンラ®皮下注30mgペン」

ファセンラ®ペンの自己注射は、以下の手順で行います。
初めての方は、主治医から十分な説明を受けてから自己注射を行ってください。

ファセンラ®の自己注射が可能なのは、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の患者さんです。気管支喘息の患者さんは医療機関で注射を受ける必要がありますので、自己注射をせずに主治医に連絡してください。

自己注射の方法「ファセンラ®皮下注30mgペン」解説動画

ファセンラ®の自己注射が可能なのは、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の患者さんです。気管支喘息の患者さんは医療機関で注射を受ける必要がありますので、自己注射をせずに主治医に連絡してください。

自己注射の方法「ファセンラ®皮下注30mgペン」解説動画

ペンの仕様(構成と各部の名称)

1本に30mgのファセンラ®(注射1回分)が充てんされており、1回のみ使用できる使い捨てタイプです。

ペンの仕様(構成と各部の名称)
ペンの仕様(構成と各部の名称)

投与前の準備

1

ファセンラ®を室温に戻します

投与時の不快感軽減のため、投与30分前に冷蔵庫から取り出し、本剤を外箱に入れたままの状態で室温(30℃以下)に戻しておくことをお勧めします。

  • 室温に戻した後は、再び冷蔵庫に戻さないでください。
ファセンラ®を室温に戻します

2

外箱からペンを取り出し、確認します

ペンが壊れていないか、使用期限が過ぎていないか、未使用の製品であるかを確認します。
ペン内の薬液について確認します。
本剤は無色から黄色の澄明、または乳白光を呈する液であり、半透明から白色の微粒子や気泡を認めることがあります。

  • 薬液に以下の状態が認められる場合は使用を中止してください。
濁り
変色
大きな粒子 または 異物
外箱からペンを取り出し、確認します

3

注射する部位を確認します

投与部位は、太もも、お腹または腕(介助者が投与する場合)です。

  • 前回注射した部位から少なくとも3cm以上離れた箇所に注射をしてください。
  • 皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷及び打撲や傷、硬化のある部位に注射したり、衣服の上から注射しないでください。
注射する部位を確認します

4

手洗いし、注射部位を清潔にします

両手を石鹸でよく洗います。
消毒用アルコール綿で注射部位を消毒し、注射前に皮膚を乾かします。

手洗いし、注射部位を清潔にします

投与

1

ペンのキャップを取り外します

片手でペンを持ち、もう片方の手で半透明のキャップを慎重にまっすぐ引き抜きます。

  • 針が中に入っているので、針を触ろうとしたり、緑色の針カバーを指で押したりしないでください(針刺し事故の他、針曲がりや針折れにつながる恐れがあります)。
  • 半透明のキャップを外した後は、再度キャップをしないでください。
ペンのキャップを取り外します

2

ペンを持ちます

確認窓が見えるようにペンを持ちます。
ペンが注射部位に対して直角になるよう、緑色の針カバーを当てます。

ペンを持ちます

3

注射します

緑色の針カバーが見えなくなるまで、ペンを注射部位にしっかりと押し当ててください。
「カチッ」という音がすると、薬液の注入が始まります。

注射します_1

15秒間、ペンをしっかりと押し続けてください。
2回目の「カチッ」という音は、正しく投与されている操作音です。

注射します_2

4

ペンを垂直に離します

緑色の針カバーが下に下がり、針を覆った状態で固定されます。

ペンを垂直に離します

投与後

1

確認窓を確認します

薬液がすべて注入されたことを確かめるために、確認窓全体が緑色になっていることを確認します。

確認窓を確認します

2

注射部位を確認します

消毒用アルコール綿で皮膚を軽く押さえてください。

注射部位を確認します

3

使用済みのペンを廃棄します

ペンは使用後すぐに廃棄用袋に入れ、医療機関の指示に従って廃棄します。
キャップや他の使用済み用品は家庭用ゴミ箱に捨ててください。

使用済みのペンを廃棄します

注意

自己注射の開始後、ファセンラ®による副作用が疑われる場合や、自己注射の継続が困難な状況となる可能性がある場合は、直ちに自己注射を中止し、主治医に連絡してください。

よくあるご質問

注射予定日に注射するのを忘れてしまいました。どうしたらよいでしょうか?

主治医に連絡し、主治医の指示に従ってください。

注射予定日に旅行や出張が重なってしまいました。どうしたらよいでしょうか?

注射予定日に外泊することがわかったら、あらかじめ主治医に相談してください。

体調が悪いのですが、予定通りに注射しても大丈夫でしょうか?

自己判断はしないで主治医に連絡し、主治医の指示に従ってください。

何時ぐらいに注射するのがよいのでしょうか?

注射時間に特に決まりはありません。ご都合のよい時間帯に注射してください。

注射する前にファセンラ®を室温に戻すのはなぜでしょうか?

室温(30℃以下)に戻すことで、不快感が軽減されるためです。

注射器に不具合があった場合は、どうしたらよいでしょうか?

注射器の不具合については、処方された医療機関にお問い合わせください。

監修:駒形 嘉紀 先生 杏林大学医学部
腎臓・リウマチ膠原病内科学教室 教授

ぜん息に関する情報サイト